これも仕事なんでな!
[虚を突けず残像を貫くに留まった銃弾に舌打ちし。右手のハンドガンのグリップを離す。スッとハンドガンは掻き消え、自由になった右手はシェードのブリッジを押し上げた]
(なんつー反応してやがんだ。こりゃ気は抜けねぇな……)
っと!!
[心中の言葉に連ねるように声を上げる。足元に迫る糸に只ならぬものを感じ、蝙蝠の羽を大きく羽ばたかせた。後方へと大きく跳ぶ。しかし僅かに遅れ、刃はズボンの裾を斬り裂き脛を掠める]
っつぅ……ワイヤーなのか? あれは。
お気に入りの仕事着が台無しだぜ、ったく。
ムー!!
[声を張り上げると、頭上に待機していた子犬が飛び出し、瞬時に黒狼へと転化。撓る糸を避けるように地を駆け、蒼へと迫る。喉元への噛み付きを狙う黒狼に続くようにして自身も蒼との距離を詰めた]