人狼物語 ─幻夢─

64 滄に揺らめく銀鏡


小説家 ブリジット

─前日・二階個室─

でも、だからって…人が見て、誤解されたらどうするの。
アーベル、困るでしょう。

[しれと答えるアーベル>>119に、もう、と言いたげな顔で見上げ問いかけた。
使用人としての努めだからこそというのは解っている。
子供のようで恥ずかしいというのもあるけれど、感謝こそすれ責める筋合いなどはない。
けれど、人が見てどう思うか。彼に対してその意識が薄い自分でも、さすがにこれは察することが出来て。
咎めるではなく、心配して彼を見上げたがアーベルはどう反応したろうか。]

…うん。ありがとう、アーベル。
心配かけて、ごめんなさいね。

[頭を撫でられ、注意を残して部屋を出ていく彼を見送った後。
アーベルに言った通り、ベッドに横になろうとして、ふと荷に手を伸ばした。
そこから手に取ったのは、執事から持たされていた銀の短剣。
鞘に納まったままの其れを胸元に抱いて、瞳を閉じればそこから零れた雫が頬を伝った。]

………こんなもの、必要ないと、思っていたのに。

(177) 2011/01/13(Thu) 21:57:56

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