人狼物語 ─幻夢─

57 廻る刻・夢刹那


語り部見習い ミハエル

─道─

[エーリッヒと歩く時間は、ゆるやかに流れる。師匠の話、洞窟の話。暗い中に棲むトカゲの話。"時間"の話。──"星"の話。]

 師匠が言うには、洞窟の天井に、淡いひかりが、
 たくさんたくさんたくさん灯ったようなのだと言う。

[歩きながら、上に手を伸ばし]

 そして、それは、どれほど高くのぼっても、
 まださらに上にあるのだと。
 エーリ兄が描く絵なら。
 そのようなものを──ボクでも手にできるだろうか。

[洞窟の中では見えぬものを語る間は歩が緩み、ユリアンの家に辿りつくに掛かる時間は長い──それに気づいて、時間の短縮の為に、ミハエルが駆け出すまでにも、相当の時間を食った。]

(179) 2010/06/16(Wed) 02:36:00

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