生憎とこれはオーダーメイドなもんでな!
[突っ込みにはどこか笑うようにして返す。軍服らしきそれがオーダーメイドだと言われても、冗談にしか聞こえないかもしれない]
[黒狼が食らいついた先は狙いを外れ、蒼の左腕へ。食いこませた牙を離すことなく唸り声を上げている]
ちっ、あの手の得物はめんどくせぇぜ。
仕方ねぇ……”硬きことは──鋼の如く”!!
[こちらを狙い撓る糸。それに舌打つと、短い呪を唱え、距離を詰めながら両腕を頭上でクロスさせ、避けることなく糸を受ける。身体の硬度を上げたものの、撓る糸が齎す威力を殺しきることは出来ず、打ち据えた場所に痛みが走った]
くっ……はぁっ!!
[眉根が寄るのはシェードで隠れたが、口許が痛みに歪む。それに構わず繰り出すのは、駆け込みの威力を乗せた回し蹴り。それが繰り出される直前、蒼の左腕に食らいついて居た黒狼は巻き添えを食わぬよう、顎門を開き蒼から離れるように地を蹴った]