あ、待って、そんなに引っ張らなくても、痛っ…
[華奢な身体は容易にそちら側に引き寄せられる。脚が縺れそうになったのを見た団員達は一度動きが止まるも、再び娘の手を引き宿の方へと連れて行こうとしていた。]
おにいさん達、っ…あ、歩くの早い、よ…っ
[良く解らないまま其処まで連れてこられると、外にも何人かの団員達の姿が見えて。何事かを話す様子に娘は途惑いの表情。そのうち半ば無理やり宿の中へと背を押され、娘はついにバランスを崩してへなりと床に座り込んだ。]
― →宿屋 ―
ちょっ、と…!!
きゃあ!?
[ばたん、と強く扉を閉められ、暫くは呆けたように出入り口を見詰め。その場にいた面々は、娘の声に気がつくか如何か。]