─ 宿屋 ─
[赤っぽくないの、とわざわざ指定したのは、団長の亡骸を喚起させる要素は避けたいから、という思いから。
そんな無茶な注文に返されたのは、予想外と言えば予想外のもので。>>177]
……いや、注文しといてなんだけどこれ、結構、値がいいだろ……。
[茉莉花茶は亡き父も好んでいたし、自分も好きなもの。
しかし、中々手に入るものでもないから、つい、こんな言葉が口をついた]
え、と。
とりあえず、手、洗いません、か?
[ともあれ、ブリジットがエーリッヒの所に行っている事もあり、用意された盥は最初にヨハナの元へ。
必要ならば、介助もする心算はあった]