ツヴァイさん……。[背後から自分を呼ぶ声に振り返る。困ったような微笑を向けて、少女の目を覆っていた手を下ろした。] 先に目覚めた方のようなんですけれど。[見やるのは背を向けた老人と、砕けた石像。] やはり、特効薬が出来たというわけではないようです。[少し声を潜めたのは、ハインリヒ以外に女性達の姿があったから。それでも、潜めた声を聞きとがめられたなら、隠すことはしないのは、少し考えれば思い当たってしまうこと故。]