……気持ちは解るだけに、の……どうにもできなんだ。
[ふ、と浮かべる笑みは少し苦味を帯びて。
そうして、先の水遣いとの遣り取りを思い出す。
その言葉の端々から伝わる、想い]
水遣いは、あの子の力ではなく、あの子を必要としてくれたんじゃな…
力の器としての神魔ではなく、「個」としてのあの子を。
……本当に、ありがたいことじゃて。
だけど、ねぇ
[それだけでは完全に踏み込むは出来ぬ、と蝶は知っている。
神魔が人を寄せぬ、もう一つの理由]
触れて、尚、そう思えたのか、の……
[それこそが、神魔の子が恐れる唯一の事]