[もうもうと砂の舞う中で煌めく銀。紫の瞳がぱちりと瞬く]
っは、立派な獣になったもんだ。
死んだってのは文字通りだよ。
お陰でこれ以上は動けねー。
[砂が晴れた後に姿を見たなら、擦過傷だらけのボロボロの姿を見ることが出来るだろう。ズボンはダメージジーンズの如くあちこちが破れ、上半身に至ってはもはや原型を留めていない。胸の辺りに巻かれている包帯だけは、解けること無く巻きついていた]
だーくそ、報酬に危険手当の上乗せ請求しちゃる。
マジで死ぬかと思ったぜ。
……おい、ところで生きてるかぁ?
[地へと伏した銀の獣に言葉を投げかけ、ずりずりと這うようにして近付いて行く。少し離れた場所では黒い子犬が目を回して転がっていた]