[一つヘルムートは勘違いしていた。風凰は、ただの攻撃魔法ではない。言うなればベアトリーチェが使役している異界龍ににた性質を持っている。
当初何か使い魔を使役しようと考えていたゼルだったが、精霊魔法を習得していくにつれて、精霊自身を自分の守護獣のように使えないかと考えるようになった。その結果、水の精霊は人間大のピクシー姿をした『水姫』と風の精霊を人間大の鳥の姿をした『風凰』である。
従って、風凰はヘルムートと一緒に動くグングニールさえも敵対存在と認識した]
『クェェェェェ!』
[大気を震わし雄叫びをあげながら、透明で光の加減で時折輝く尾をグングニールへと伸ばして主人であるゼルギウスを守りながら、ガパァ! と開けられた口から、圧縮空気をヘルムートへと打ち放つ]