[それは一瞬だったと思った。
ゲルダの様子と行動から、次で決めるつもりだと感じたゼルは、一瞬だけ意識を逸らしてしまったのだ。その瞬間、ヘルムートの魔力槍が主を守るべく伸ばした尾を突き抜け、ゼルギウスの腹部を軽々と貫いた]
ガ!
[貫かれたのは脇腹だ。しかも左だったために何とか持ちこたえられる。
激しい痛みが全身を駆け巡る中、冷静に傷の状態を分析したゼルは、風凰にヘルムートの牽制を行わせるべく二人の間に突入させた。同時に元々後衛専門である彼は距離をとるべく先程と同じで後ろへと跳躍した]
ゲルダさん、ちょっと余裕ないんで、これで最後っすよ。
『風炎一体』!
[ウンディーネを無力化させたときに使った攻撃力向上支援魔法をゲルダにかけながら、地面に着地する。しかしすぐに足を滑らせて尻餅をついた]