[一之瀬先輩からの声がかかったのは、パソコンルームを覗き終わった頃]
[ぱちぱちと目を瞬いて、頷いた。
考えた。一之瀬先輩が狼なら、今、きっと自分は吊られてる。
確かに、一人は嫌だ]
……じゃあ、先輩が一緒に来ますか。
[自分が怖がられているのは分かる。
挑発するみたいに、試すみたいに、言った。
多分、他の友人達みたいにまた「仲良し」が優先されるんだろうなと半分諦めながら]
[だから、返答を確認しないで歩く。
どこだろう。ここにいないなら、きっと死体の側だ。
留学生の処刑場所には行きたくなかったから、学長室に向かう]