何、我も勝手に詮索しただけじゃて。
[そう言って、やはり意味深げに微笑んで]
我は、できるだけ余計な詮索は控えるようにはしておるがの。
此度は例外じゃ。
[そう言いつつ、問いに返る言葉には、少し心配するような視線を向けて]
あの子が泣いたのはそういう事かい……
あの子が恐れるは、信じる事と喪う事……それ故、踏み込まず踏み込ませずにおった。
それをそなたに…喪うかも知れぬ者に赦したと言うのは……
あれも、悩んだのだろうな。
[それに至る経緯を知るが故に、落ちる声音は少し重く
それを打ち消すかのように顔を上げて]
そなた、治癒は持たぬと申したか?
[零れる問いは少し唐突に写るだろうか]