―上空―
[ラスティールの特大ブレスを受けても尚立ち向かう様子を見て取ればうはあ、と感嘆の吐息を零す。
時折朱が散るのが見えるのは、逃げずにたちむかってる証で]
いやあ、恐いお人や……
[回避するだろうという予想を外してくれた相手だからこそ、次に何をするのか読めなくて。
こちらにまっすぐに向かってくる竜の背に人がいないことまでは見て取れず――竜がおとりとなるように発した攻撃は、緑竜が受け止めようと奮闘した。
そしてブレスがと切れたときに、竜の背から離れていたイレーネが上空から一撃を喰らわそうとするのをとっさに三節棍で受け止め]
――っつう……
[衝撃に顔をゆがめ、けれど最後の悪あがきとばかりに、まだ体勢の整っていない相手の足をすくうように足払いをかけて、ラスティールの背中に倒し、その喉元へと、三節棍を突きつけた]
――これで、終いや。
[そう宣言する。
命まではとらないのは、その理由がないから。だった]