[警戒していた方がと言われた矢先、春枝と同行しようとする自分に呆れたのだろう、佑の溜息が聞こえた。>>232
彼に視線を向けると、女の子を一人には出来ないでしょ?と、口だけを動かして彼女のあとを追おうとして。]
佑も、森君も、気をつけて、ね。
[怖い気持ちを抑えながらそう言って、春枝の向かった先を追いかけた。
途中で追いつけただろうが、話す言葉は無く。
ただ、彼女が足を引き摺っているのに気付くと、逡巡した後。]
…私の肩、掴んでいいよ?
[そう、声をかけたが返事はあったろうか。
たどり着いた先は、学長室で。
中で学長が襲われたと聞いていたから、入るのは一瞬躊躇われた。]