ああ。いえいえ。
此処で結構よ。そんなに長い話じゃないですから。
[老婆は、そこで一旦話を切って、本題を話した]
……突飛もないことを言ってしまうかもしれないですけど……もしかしたら、この中に人狼は、いえ、人狼そのものがいないように思えないかしら?
だって、不思議じゃない?
もし人狼がいるのならば、ここに押し込められてしばらく立つのに、この集会所の中で、はっきりと人狼の犠牲になったという人が誰もいないなんてことがあるのかしら?
私には、誰も襲われていないのに、人狼がいるかもという幻想に踊らされているような気がしているのよ。
……ゲルダちゃんは、どう思う?
それでもやっぱり、人狼がいるんだと思うかしら?
今まで一緒に暮らしてきた人達の中に、本当に人狼がいると思うかしら?