─宿屋外 西壁─
[白の傍でしゃがみ込んだままで居ると、自衛団員が数名オレの方へと駆けて来た。
…いや、オレへと言うよりは、目の前の躯に対してだな。
奴らはオレが居るのに気付くと少し怯んだみたいだったけど、爺を運ぶのを優先と考えたらしく、オレの結わえて無かった髪を引っ張って後ろへと放りやがった]
いって……!
何しやがる…!!
[後ろに引っ張られたもんだから、オレは当然よろめいて尻餅をつく羽目になる。
頭と尻と、両方痛めて涙が出そうになった]
……あんだよ、ただ傷を確かめてただけだよ。
オレじゃねぇ。
ここに来た時は既にそのシーツも掛かってたからな。
[元々容疑者として集められてたから、ここに居たオレを連中は容易に疑いやがる。
それは仕方ねぇにしても、第一発見者はオレじゃねーっつの。
……そういや誰だったんだろ。聞いてねぇや]