─ 回想・昨夜/宿屋 ─
[宿に戻ると、娘は雑貨屋から持ってきた嗜好品の数々を欲しがる人に分けて。結構な量となるのか愛煙家達には喜ばれたかどうか。勿論御金は払ってもらう事になったが。ブリジットが帰宅していれば連れてきたらしき赤髪の男にきょとりとして何かされたわけでは無く、寧ろ男に危害を加えてしまったと解れば娘は吃驚した様子で。]
ブリジットが大丈夫だったのなら好いけれど…
でも後できちんと謝っておくのだよ?
[クロエと同じく、後で男に謝るようにと伝えた。]
あ…! クロエっ
[ライヒアルトから手当を受ける傍ら、娘は様子の可笑しい幼馴染の姿を見止め。其れが疲労であることに気がつくと、気遣わしげな視線と共に御休みと伝えた。程なくして手当も済むとその場の面々が部屋へ引き上げる様子に対し見送って。ベッティも疲れているらしく、部屋に戻るなら御休みと告げて。]
ンン、何だかぼくも……疲れちゃったな
[辺りには誰も居なかった所為か気が緩む。近くのソファで背凭れに身体を預けながら、娘は何処か遠い眼差しで天井を見詰め、そと瞳を閉じて考え込んだ。そのまま意識が落ちるのも構わず、夜をソファの上で過ごした。]