―宿屋―あらあらまぁまぁ…。ありがとう、アーベルくん。気を使ってくれて。[どこか沈んだようにも見えていたのだろう。アーベルの心遣いに、宿に来てから初めて目元に皺を沢山刻んだ笑みを向ける。今は花茶に手をつける事なく、茶器の中に咲く花を、皺だらけの手を合わせ、ほんのり嬉しそうに見つめていた。]