― 6の部屋 ―[ナターリエに会釈をされれば、会釈を返す。なんとなく、頭を掻きたい衝動にかられるも、両手が救急箱でふさがっていれば出来ない。] ツヴァイさん、大丈夫ですか?[上へあがる人が居るなら、そのうちの誰かに――ナターリエ辺りだろうか、救急箱を一つ押しつけた。そして、声をかけるのは咳が止まらない人。大丈夫と尋ねたのは、何も彼だけのことではなく。――彼が目を離したくないといった人を含めてのこと。]