― 回想/1F廊下>>267>>268 ―
[佑、と呼ぶ人は今は一人しかいない。
昔は母が呼びにくいという理由でそう呼んでいたけれど
今はその母も亡き人となり今は幼馴染の蛍子だけ。
蛍子の眼差しに気付けば視線を絡め笑みを浮かべる]
――… Bene, Grazie.
[大丈夫とありがとうの二つを示すそれは
母の口癖でいつの間にか移ってしまった数少ない言葉]
ん、ボクは――…生徒会の彼らと配電盤をみてくるよ。
停電もブレーカー落ちも考え難いけど
一応、確認しておきたいから、ね。
[廊下から見える外の世界。
薄暗いその先には人の暮らしを思わせる色が灯っていた]