[ヨウコに手をとられて最初に感じたのは、何だったのだろう。その感情の名前を彼女は知らない。ただ望むままに思い切り腕を振り払って]はなし、て!どこ……にいったの?どこ?[赤を追いかけるように目が動く。なくしたくないというように。――かれのこんせきのひとつすら、ないのだ]