だって、わざとそんなことしたら怒るでしょう?ゼル、怒ると怖いんだもの。[緩く頭を撫でていた手を下ろしてそう小首を傾げ、あえて明るく微笑んだ。こうしていないと、怖い気持ちに飲まれてしまいそうで。何かあったかと問われれば、ん…と、曖昧に頷いて。他人の口から言って良いのか解らなかったけれど、少なくともこの場にいる人は皆聞いているはずだから、と思い。]ライヒアルトさん、死んだ方の正体が視える、みたいなの。そう、仰ってたから。