ー森の中ー
[道端でしゃがみ込んだまま、おとぎ話の国で遊んでいる少女のお下げ髪を、ひゅると風が揺らす。その同じ風が、一枚の紙きれを少女の目の前に運んで来た。まるで、夢見る少女を促すように]
アンケート?
[パチパチと瞬きして、少女は白い紙を拾いあげる]
ああ、お祭りの。
[にこりと笑って、少女はスカートについた大きなポケットから、小さな木炭の欠片を取り出すと、手近な平たい石を下敷き代わりにして器用にその紙を文字で埋めていく]
■名前 ミリィ=カーティス
■年齢 18歳
■自己紹介
普段は両親と一緒に遠くの街に住んでいます。この村は母の産まれた村で、祖父は森番をしています。
妖精祭りの時期には、毎年一人で祖父のところに遊びに来ていて、今年は一週間前から森の中の祖父の家(森番小屋)に滞在中。
趣味は本を読むことと、森のお散歩。