[そうして思案しつつ足が向かったのが竜都の大図書館なのは、実は彼女の在り方を如実に表すわけで。
自らのチカラで本を宙に浮かし、自分の周りを旋回
→言霊を読み取り本の内容をページを開くことなく読解
→読解済みの本を本棚に戻す
→上に戻る
というルーチンを高速で処理し、知識を蓄えていたのだが、3939冊目に手をつけたあたりでスッと眼を細め、視線を図書館の壁──正確に言うならばその延長上の先にある竜皇殿西殿へ向ける。
それから程なく。外では西殿に光の塊が落ちていたわけで。
それを直接見ることなく、ただし何かが起きたのかはおおよそ把握しながらも、しかし視線は再び本棚に並ぶ本へ。]
……これで序の口。騒動収まることなく、更に膨れる恐れあり、か。
……面倒なことになりそうですね。
[再びルーチンを開始し、周辺を旋回する本に視線を向けつつポツリとそう呟く。]