[ライヒアルトの沈黙を待ってから、了承の声が聞こえたのでこくりと頷いた。
教会云々の事情は全く知らない為に、向こうから避けられていた事も勿論知らぬままで。
本人ががっくり来ているとかは無論知るよしもない。
マテウスの声と仕草が聞こえると、引きつったような笑みを浮かべて。]
ありがとう、おにい、ちゃん。
[片言で、マテウスの両手を掻い潜り、鼻を詰まんでやった。遠慮なく。
その勢いでエーリッヒに近づき、ぽこりと軽く手の甲で頭を叩く。
こちらは一応加減しておいた。]
人様でからかうな馬鹿者が。
[ふぅと息をつくさまは変わりなく。
だが昔と比べてしまうと確実に変わってしまっていた。]