[ウェンデルの声にも、ひらと手を小さく振って返した後、ふいに入ってきたヨハナの声に。]…あまりそういうのは好きじゃない。命に、優劣なんてつけたくは、な[そう言いかけて――少し口を止めた。額に手をあてやや間が空いたが、耳に届いたアーベルの声に軽く頷き返した時には、表情は元に戻っていた。]…とにかく、何事も起こらなければ問題ない。[そう言い、厨房へ行き盆にゲルダが作った料理を二人分、一通り乗せすぐ戻ってくる。机の空いていた場所に置き、盆から降ろし並べて、余っていた椅子に腰掛けた。]