[ 溢れ出す血も、まだ弱々しく拍動する林檎も、 柔らかく甘く苦い内臓も、一つ一つ丁寧に舌鼓をうつ。 ぴちゃり、ぴちゃり、 血が床に落ちる小さな音が響く。 丸ごと喰べたのは、フィグネリアの脳。 半ば伏せられた翡翠色の眸を持つ頭部は、 スカーフに包まれながら、 粗方中身の消えた胴体と床の血を眺めていただろう。]