[レイスが現れたのに、きっと薬箱をきちんとしてくれたのだろうと視線を向けて。小さく、烏色の双眸だけで礼を示した。少し上目で見てしまうのが、卑屈に見えないと良いと思う] …ん。[カチューシャの頷きに、頷き返す。もう空を紫色に染めていた陽光は落ちてしまい。見上げる雲ひとつない空に、赤い月が昇り始めていた]