[糸が遠く離れる感覚、けれどそれが切れる感覚はしない。少女の体が僅かに重くなった気がして心配した。]ベアトリーチェ…[少女の事も心配して、慣れない松葉杖で階段を昇りながらだったが一度だけ振りかえった。]え?[どうしてそんなに。解らない、ただ、いつもみたいにじっとしてられなくて。]…生きたいから。かしら。[階段を上りきれば扉があり、カードの差し込み口が見えた。カチリ、音とともに扉は開かれて隙間から――風が吹いた。]