―二階個室→廊下―[弾いたのは短い讃美歌だけ。飴色の本体と弓を丁寧に仕舞い、鍵を掛けて窓から離れた場所に置いた。改めて窓に近寄ると空気を入れ替えるために開け放つ。冷たい風が吹き込むと、何度か口元を押さえる羽目になった]参ったな。彼の世話にはなりたくないのに。[小さく背中を震わせて窓を閉じる。下で小さくない声が響いている。自衛団長がもう来たのだろうか。様子を見ようとケープを一枚余計に羽織り廊下へと出た]