― 道具屋 ―
[左肩に宿る待宵草が繋いだ相手が目の前に居る。
意識を共有するように言葉を交わした時間は長くは無かったけれど
その一時もまた大事な思い出には違いない。
クレイグの突っ込みに、やっぱりか、と苦笑した。]
へ?
[参っていたと言われて素っ頓狂な声が漏れる。]
えー…? もしかして筒抜けなまま、だったりしたか。
かっこわるいなぁ。
[年上なのに、と続くはずの言葉は飲み込んで
一瞬、戸惑うようにしるしの対の彼に向ける眸が揺れた。]
気にしてくれてたんだ。それは嬉しいな。
[本音はいつものように軽い口調で紡がれてゆく。]