……っと!
[降下の勢いを乗せた一撃は、そう容易くは軌道を変えられない。
魔鎌の刃は僅かに逸れ、狙いよりも浅い手応えが伝わった]
効いてんだか、効いてねぇんだか。
そこら、はっきりしねぇよなぁ……。
[痛みを感じる素振りもなく、距離を詰めてくる様子にぽつり、と呟いて。
切り上げの一撃は、持ち手を僅かにずらした鎌の柄を当てて受け止めた]
いよっ、と!
[そのまま、突き飛ばすように力をかけつつ、後ろに向けて飛びずさる]
……さて、と。
あんまり長引かせても辛いし……ぼちぼち、仕掛けていく、か。
[着地後、両手で確りと柄を握り直しつつ、呟く。
金に変じた右の瞳には、どことなく、愉しげないろが浮かんでいた]