先生の、声もする。 でも。[両手で耳を押さえる。空気の音がした。次いで耳鳴り。一枚ガラスを隔てたような、遠い声。音が消えてしまったら、と頭をよぎる。その可能性を考えたくなくて、立ち上がった。ユリアンの声やエーリッヒの伸ばした手にも気づかずに] 追ってくるの。