―― 回想 ちょっと前 ――[廊下へ、調理室とは別の方向へ足を踏み出した頃。 背後で、ユリの声]よくないです、けど。こっちの方が優先です。すぐ、そっちにも行きますから。[さっきつないでもらった手を思い出す。 調理室へ行く目的も、自分に食べ物を分けてもらうが為で]……ごめんなさい[小さく謝った。 最初に見た感じの、ちゃらけた人だったら良かったのに。 皆普通にイイヒトだから、困る][本当に困ったように、眉を下げた]