兄弟…と呼ぶのだったかな?
教徒達は皆そうだって聞いた事があるし
[やや意味が違うのかも知れないが、彼が子供に向ける眼差しは本物の其れで在るようにも伺えた。]
そうだね…クッキーを焼いてくれる、みんなの優しいお兄さんだ
[困った笑みにはふふ、と笑み声を立て、イレーネとの会話を聞けば、娘はぷっと吹き出す仕種を見せた。]
…手首脚首のお陰で皆には入らぬ迷惑も掛けた事だしね
其処は善処していけたらと想っているのだよ
[想うだけにもなる気がするがあえて口にはせず、それ以上進言がなければ娘は小説の表紙をひと撫でし。ライヒアルトが目線を本に向けていた事に気が付けばゆるく首を傾いだ。]
本が好きなのだったよね
伝奇小説の類は好きなのかい?
[本の内容の好みまでは知らぬのかそう問いかけて。]