[利吉の質問にふと首をかしげて考え込むそぶり、指先を唇にもっていき数秒の思考時間。
きっと利吉の目からもそれは女っぽいとしか思えないしぐさに見えるだろう]
ああ、そういう意味ではなかったのだけどね。
この狭い村のことだから、何か事件とかあるのなら巻き込まれるようなことは多いだろうしね。
[笑いかけながら]
それじゃあ利吉さんを信じるということを示す意味で秘密を教えてあげよう。
[にぃと笑いかけてその顔を覗き込むように見上げてから]
ボクは歌手をやっていてね。
世間ではボクは謎の多い、それはもう性別も謎と言われているみたいで。
[と自分も聞いた話でしかないのだが]
ボクの情報をいろいろと探ろうとする雑誌の記者とかがたまにきたりするんだよ。