天にまします我らの父よ。[睫を伏せ、口をつくのは一番最初に習った祈り。旅をしている間はそれも覚えないくらい教会には縁が無かった。それが何故なのか深く考えたことも、これまでは無かった。細い声で唱え終わると、胸の下で組んでいた手を解く。貰ってあった薬を丸薬と一緒に飲むと、汗で張り付いた下着も着替えて下へと向かった]―二階→広間―