[――その、刹那]
[ごぅんと低い音を轟かせ、光の軌道上に巨大な壁が現れた。
周辺の地や床を糧にしたそれは当然地形を大きく凹ませて]
[けれども、強い力を抱え込む光を打ち消すには足りず。
貫かれ、巨大な穴をその真ん中に開けた]
…っ、や…!
[光は闇を打ち散らして、少女の赫を焼く。
咄嗟に少女は本を手放し、その本は主たる少女を守ろうとして]
[盾と成った本は無残にも崩れ散る。
壁に軽減された光から、少女の命を守ることは叶ったけれど]
[そして『力』の源たる本が崩れたことで、地の壁も当然力を失い。
がらがらと崩れる先は、黒衣の在る場所]