分りました。 では、カルテ半分も、よろしくお願いしますね。[ハインリヒの応えに頷く。重い足取りで歩き始めた、星詠の人の後を追う。記憶障害がある気がする――そう書かれたカルテが混じったファイルを抱える。気にはなるが、そこでとどまっていても、良くもない気がして。星詠の女性の細腰に、楯が見えれば、微笑む。――蛇が出ても、それで目隠ししてもらえば大丈夫かなと、そう思いながら、じっと見られた理由を悟ったのだった。]