―二階/個室―
[驚かせてしまうだろうことは薄々感じていた。
ライヒアルトの問い掛け>>461に瞬きをして頷く]
まだ誰にも言ってないわ。
此処で知っているのはラーイとおにいさまだけ。
おとうさまはご存知のはずだけれど……。
[十五年前の一件、その顛末も養父なら知っているだろうが
其れを口外することは無かったかもしれない。
おとうとからのお願い――常なら受け入れるであろう其れ。
困ったように柳眉を下げて、詰め寄る彼の頬へと手を伸ばす。
彼が手を握ってくれたように温度を伝え落ち着かせようと――]
ごめんね、ラーイ。
でも広間でのお話はあなたも聞いていたでしょう?
彼らが信じる信じないは別にして……
名乗り出るべきだと……私は思うの。