─ →洗濯小屋─
[祖父の元から帰る途中、寄り道はせずまっすぐに洗濯小屋へと帰った。
途中誰かに会ったなら、そろそろ一雨きそうだから早く帰った方が良いよと声をかけただろう。
小屋に戻れば、空の色は更に暗さを増していて。]
……万一に備えて洗濯物に雨避けかけた方が良さそうだなぁ。
[眉を寄せて空を見つめた後そう小さく呟いて、良く風に晒して臭いを飛ばした油革を洗濯物の入った籠にかけようと小屋の中へ入り。
ふと、外にもう一度視線を走らせた。]
今日はあの子、くるかな。
[呟いたのは、いつの間にかここで姿を良く見るようになった蒼い鷹。
雷が鳴りそうな嵐には良く雨宿りにきてくれていたから、今日も来るだろうかと。]