[利吉の嫌そうな顔に、すこぶる上等の微笑を返して。]あら偶然会ったんだから仕方ないでしょう?連れて来たんだからむしろ感謝してよ。もー、何言ってるのよ。何にもない枝を、折ってどうしようっていうの。[折る、に若干遠くに居た村人の視線が投げられただろうか。むやみに警戒されないように、やんわりと否定し柔らかな笑みを返す。実際の所、折る気はない。大婆から所望された枝は、花付きのもので。それ以外には自分にとって何の価値も無かった為に。]