[ピアノを弾いていた、というイレーネの言葉に、ただ首を傾げて。ピアノの音は知っていた。ただ、音階以外にも、といわれて、譜面は頭の中で描いた姿を崩す] 聴いて、覚えるだけだったから、な。[ピンがあるとしると、その声の主に顔を向けて] ありがとう。ええと、なんと呼んだらいいかしら。 私はベアトリーチェというの。 お礼を言うのに、相手の名前もわからないのは不便だもの。