─ 森の川辺 ─
[手を伸ばした時に微かに捉えた笑い声に、ほんの一瞬、むぅ、となりつつ。
信用ない、という言葉には何も返さなかった。
これ以上は何もいえない、というのもあるけれど]
……え?
[どこか、別の所に向いた言葉と、感じた気配に意識を持っていかれたから、というのが大きい]
……胡蝶の君……?
[言われるまで気づかなかった、『白』の気配。
そこまで乱れていたかと内心で嘆息しつつ]
………………お節介すぎます、よ。
[干渉しないでくれ、と言ったのに、とは言わず。
けれど、『白』に立ち去るを望むでなく。
それでも、自分の表情は『白』には見せまい、と、その意地だけは、通していた。*]