[散る電流に僅か、眉根が寄る。後退しようとするのに追う心算は元より無く][狐の其れからまた離れた場所より上がる声。真紅の視線が其れを追い、人影を捉える]……、[主なのだろうかと問う声は心の内ばかり。声には成らずにただ頭を傾いだ]