こういう状況ですし、辛い時は頼ってくださると、
僕は嬉しいですよ。
[どこか年齢離れした言動をしていた少女が、
もじもじと呟く様は、年相応に見えて。
ふっ――と微笑む口元は柔らかい。]
……そうですか。
あるかは分かりませんが、僕がもう少し薬品庫探してみますね。
[立ち上がった少女が落とした視線の先。
それを差し出しながら、立ち上がる。
背中が軋んだ――そして背中側から胸に走る痛み。
差し出してない方の手が、思わず口元に向かう。
乾いた咳を一つ。ザラリとした感触が手に。
気がつかぬ振りをして、口元から握りこんだ手を下した。
そこにあるのは、穏やかな微笑を湛える唇の形。]