[傾ぐ友の身体][それを見て両手を振り、纏っていた焔と疾風を消す][もう一度右足で地面を踏み鳴らすと][勢いの残る朱い礫も失速し地面へと落ちた][左肩の傷を確認してからゆっくりと友へと近付く][左足を少し庇うような歩き方][倒れる前に手を貸すと言う動作は][左足の状態と男の性格も相まって行われることは無かった]勝負あったな。[短くなった手巻き煙草を右手で持ち][に、と口端を持ち上げる][ゆらりと紫煙が立ち上り][周囲に渋みを含んだ紅茶の薫りが漂った]