─大広間─……調子がいいヤツの方が、珍しいと思うが。[呼びかける声>>795に、閉じていた天鵞絨をゆっくりと開きながら返す。一度目を閉じると、どうにもすぐに焦点が合わない。それへの苛立ちは押し殺しつつ、は、と一つ息を吐く]……で、何か用か……って。それ、は。[差し出された、黒の鞄。外で動くときには必ず持ち歩いていた、見慣れたもの]……確かに、そうだが。一体、どこに。