人狼物語 ─幻夢─

64 滄に揺らめく銀鏡


商人 ゲルダ

―半年後:とある町にて―

「アルビンさん、手紙が届いてますよ」

[馴染みの女将が、そう言って彼に渡したのは、分厚くはない封筒だった。
彼は妻と顔をあわせ、それから封筒の差出人を確かめる。
そうして、目を見開いた。

女将に宿を借りると、二人、室内へと入ってゆく。
妻のほうは何があって彼の顔が青くなっているのか、さっぱりとわかっていないようだった]

「ごめん、パメラ。……読んで」

[一度目を通した彼は、顔をゆがめて、それでも涙は零さずに手紙を妻へと渡す。
妻は内容を読んでも、それがわからなかったようで、首を傾げた]

「どういうこと? ゲルダが人狼事件に巻き込まれて――それで?」

(874) 2011/01/18(Tue) 17:00:14

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